稲次病院 2023年 回復期リハビリテーション病棟実績
疾患名 | 疾患数 | 平均年齢 | 平均在棟日数 | 入棟時FIM平均 | 平均FIM利得 | 在宅復帰率 |
脳梗塞 | 13 | 73.3 | 97.7 | 52.5 | 23.6 | 69% |
脳出血 | 14 | 69.9 | 120.2 | 45.6 | 25.9 | 79% |
くも膜下出血 | 2 | 62.5 | 114.5 | 40.5 | 29.5 | 100% |
硬膜下血腫の術後 | 4 | 85.0 | 70.3 | 52.5 | 29.0 | 75% |
脳腫瘍の術後 | 2 | 78.5 | 122.5 | 38.0 | 30.0 | 100% |
頚髄損傷 | 5 | 71.8 | 103.6 | 64.2 | 33.2 | 60% |
脊椎圧迫骨折 | 72 | 83.9 | 55.2 | 61.9 | 30.2 | 81% |
骨盤骨折 | 9 | 85.2 | 59.1 | 44.6 | 21.0 | 89% |
大腿骨近位部骨折 | 59 | 84.7 | 60.0 | 56.7 | 29.0 | 86% |
大腿骨遠位部骨折 | 2 | 75.5 | 61.5 | 48.0 | 10.5 | 100% |
大腿骨頭壊死の術後 | 3 | 77.3 | 31.0 | 100.7 | 11.0 | 100% |
人工股関節置換術 | 9 | 65.4 | 26.1 | 107.7 | 13.6 | 100% |
人工膝関節置換術 | 11 | 74.6 | 20.1 | 106.2 | 14.0 | 100% |
膝関節内骨折 | 6 | 77.5 | 51.0 | 83.8 | 18.2 | 83% |
脊髄症の術後 | 2 | 70.5 | 44.5 | 104.5 | 11.0 | 100% |
脊椎症の術後 | 12 | 69.7 | 38.2 | 94.6 | 21.3 | 92% |
脊柱管狭窄症の術後 | 4 | 79.2 | 32.8 | 111.5 | 8.3 | 100% |
廃用症候群 | 5 | 82.8 | 63.8 | 56.0 | 18.6 | 60% |
その他 | 3 | |||||
総患者数 | 237 | 79.7 | 61.3 | 65.3 | 25.3 | 84% |
FIM(フィム)
FIMとは、「日常生活自立度」のことで患者様の生活の動作・認知能力を数値化したものです。
運動項目:食事動作・整容動作・清拭動作・上衣動作・下衣動作・トイレ動作・排尿管理・排便管理・車椅子移乗・便器移乗・浴槽出入り・歩行・階段の13項目、認知項目:理解力・表出力・社会交流・問題解決力・記憶力の5項目、合計18項目があります。
これを各7~1点で採点します。自立7点・補助具使用による自立6点・見守りが必要5点・最小介助4点・中等度介助3点・最大介助2点・全介助1点。
13項目各7点まである126点~13点の範囲で患者様の自立度を判定しています。点数が高いほど自立度が高く、低いほど介助が必要となります。
FIM利得(フィムりとく)
FIM利得とは、入院期間中の改善度合いを示しており、リハビリ終了時(退院時)FIMからリハビリ開始時(入院時)FIMを引いたもので、入院期間中どれだけFIMが向上したかを示しており、点数が高いほど「良くなった」ということが言えます。
回復期リハビリ病棟入院患者様の疾患別割合
- 【疾患別割合】
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2023年の回復期リハビリ病棟の入院患者様の疾患割合です。昨年より当院が徳島大学整形外科とともに取り組んでいる「ピラティスの運動療法」を開始したことにより、脊椎疾患が多く占めるようになりました。これまで脊椎疾患は高齢者の転倒による脊椎圧迫骨折が多い状況でしたが、加えて脊柱管狭窄症の術後や、変形性脊椎症の術後の患者様がピラティスを目的に入院されるようになりました。またこれまでどおり、転倒による大腿骨近位部骨折の患者様は多くいらっしゃいました。
回復期リハビリ病棟入院患者様の疾患別入院日数
- 【疾患別の入院期間】
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脳卒中によるリハビリは骨折などの運動器疾患に比べて入院期間は長い傾向にあります。当院では脳曽中の患者様は重症度にもよりますが、概ね3~4か月程度は入院が必要になっている状態です。高次脳機能障害といって、手足の麻痺だけでなく、脳の障害からくる認識の障害がある場合は入院期間が長くなる傾向があります。
当院で多く入院されている大腿骨頚部骨折、転子部骨折の術後の患者様は、概ね1か月半~2ヶ月程度で退院しています。高齢化してくると早期手術、早期リハビリが大切と言われ、できるだけ筋力の衰えを防ぐことが大切と言われています。
ピラティス運動療法を用いた脊椎の術後の患者様は約1ヶ月で自己トレーニングができるようになり、在宅へ退院されています。
回復期リハビリテ病棟入院患者様の改善度
- 【改善度】
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FIMで評価したものです。入院時のFIMの得点が低いほど重症であったということが言えます。目安は110点以上あるとほぼ自分のことは自分で行えるレベルです。グラフの灰色の部分は入院時のFIM、右側の青色の部分が良くなった部分です。良くなった部分をFIM利得(フィムりとく)といいます。やはり脳血管疾患、圧迫骨折などで受傷後非常に強い痛みを伴う方、大腿骨骨折の手術直後の方が重症であったことがわかります。
一方疾患によっては入院時にかなり動作を獲得している方もいます。しかし、痛みが強い、また生活はなんとかできる状態ですが、復職等の社会復帰にはしなければならないリハビリがあります。
回復期リハビリテ病棟入院患者様の疾患別在宅復帰率
- 【在宅復帰率】
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2023年当院回復期リハビリ病棟から退院された在宅復帰率は84%でした。この在宅復帰率には、ご自宅以外にも居宅系の施設も含まれます。中には施設に入所されていて、そこで転倒してしまい、施設に帰られる方も多くいらっしゃいます。近年サービス高齢者賃貸住宅等、施設の中である程度ご自分のことはご自分でしなければならない施設も増えてきています。そのような場合は施設の環境を調査し、それに合わせたリハビリを実施しています。
また老々介護が問題になっている近年、少し介護があればご自宅に帰ることができる方でも介護力が十分でなく居宅系施設に退院される方も増えています。また特別な食事を提供しなければならない、複雑なお薬を管理しなければならない等の事情もあります。