2022年 稲次病院 回復期リハビリテーション病棟 退院患者内訳
傷病名 | 退院患者数(名) | 在宅復帰者数(名) | 平均在院日数 | 在宅復帰率 |
脳血管疾患 | 46 | 31 | 89.3日 | 76.1% |
脊髄損傷・脊椎症術後 | 19 | 18 | 52.4日 | 94.7% |
脊椎圧迫骨折 | 54 | 50 | 47.2日 | 92.6% |
大腿骨骨折及び術後 | 67 | 61 | 56.3日 | 91.0% |
人工股関節術後 | 20 | 18 | 39.9日 | 90.0% |
人工膝関節術後 | 11 | 11 | 31.5日 | 100.0% |
骨盤骨折 | 10 | 8 | 46.8日 | 80.0% |
上肢骨折 | 2 | 2 | 28.0日 | 100.0% |
廃用症候群 | 2 | 1 | 42.5日 | 50.0% |
その他 | 2 | 2 | 38.5日 | 100.0% |
総計 | 237 | 210 | 56.5日 | 88.6% |
(解説)
当院回復期リハビリテーション病棟には、脳血管障害(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血など)、転倒や事故による骨折、 股関節や膝関節の人工関節置換術をした後、脊髄損傷や、脊椎の手術をされた方が、リハビリテーション目的で入院されます。
令和4年に当院回復期リハビリテーション病棟を退院された方の内訳は、上記のようになっています。
転倒による足腰の骨折の方が多くいらっしゃいます。大腿骨(太腿の付け根の骨)の骨折で手術をするケースが増えており、 早期からリハビリテーションが関わり、筋力や歩行能力の低下の防止に努めています。救急搬送された患者様は、 ほとんどのケースが当院で手術を受けられ、約1ヶ月半で退院されています。退院先は約90%以上の方が在宅へ帰られました。
脊椎の圧迫骨折は転倒して尻餅をついた、重い物を持った瞬間腰が痛くなった、いつの間にかわからないうちに骨折していたなどが多くの原因で上げられまます。 多くの方が1ヶ月から1ヶ月半で退院されています。退院先は90%の方が在宅へ戻られています。
脳血管疾患では、脳梗塞が最も多く、徳島県内の中核病院からリハビリテーション目的で入院されます。最近はバイタルサインが落ち着けば、 できるだけ早くリハビリを受けにリハビリテーション専門病院に移るようになりました。昨年に引き続き重症度の高い方が多く入院されています。 まだ食事も摂れない、まだ麻痺が強く腕が動かない、歩けない状態の患者様が多く入院されました。脳血管障害は麻痺だけでなく、嚥下障害、 高次脳機能障害、排泄障害など身体・精神にかかわる様々な症状が出ており、骨折などの整形外科分野より入院期間が長くなります。 平均で3ヶ月近くの入院を要する場合が多く、高次脳機能障害(注意障害、半側空間無視など)や失語がある場合はさらに入院期間が必要な場合もあります。
特に脳卒中などで、嚥下に障害のある方に力を入れて診ています。検査機器も充実しており、評価体制も整っています。 また言語聴覚士や歯科衛生士なども常勤しており、嚥下リハビリテーションに注力しています。
稲次病院はリハビリテーション専門病院として多種多様なリハビリに対応しており、またグループ内で介護保険サービスの豊富な連携先を持っており、 退院後のフォローアップもしております。今後も住み慣れた地域で、継続して生活できるよう支援させていただきます。
FIMとは
Fanctional Independence Measure の略で、日本語では「機能的自立度評価法」と略されます。日常の生活動作の自立度を示す指標で、世界的に広く用いられるスケールです。
18の活動項目に対して、それぞれ以下の7段階で点数化し、その合計点を表しています。最低が18点、最高が126点で点が高いほど日常自立した生活が送れていることを示しています。
FIM利得・FIM効率
- 1)FIM利得:退院時FIM-入院時FIM
- →点数が高いほどリハビリテーションなどの効果が高い
- (点数が高いほど自分でできることが多くなり、介助してもらう量が少なくなった)
- 2)FIM効率:FIM利得/入院日数
- (リハビリテーション効果を入院1日当たりであらわしたもの)
- →点数が高いほどリハビリテーションなどの効果が高い
- (点数が高いほど短い期間での高い効果が表れた)